蒟蒻脱●●(きかんげんてい☆)
日々思いついたSS投下場所
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ヒゲの話が何でか続いておりますよ…ということでしぶに上げてこっちには投下してなかったですスイマセン…
そんでまた微妙に続いていたりしてな…
虎が脛毛に欲情していたりヒゲにあこがれる兎がいたりしますので苦手な方はリターン推奨。
まあたいしたことないけどな…
そんでまた微妙に続いていたりしてな…
虎が脛毛に欲情していたりヒゲにあこがれる兎がいたりしますので苦手な方はリターン推奨。
まあたいしたことないけどな…
脛毛が金色とか、そんな人種マジで存在するんだとか。
この目で見て、触れて、ただそれだけだというのに。
「くっそ…」
快楽に似た悪寒が背中を駆け抜けた、なんて。
濡れて落ちた前髪をくしゃりと握る。久しくこんな感情を覚えたことはなかった。
あのギャップが、どうにも。
「あー、やめやめやめ!」
考えるから気になるんだ、と妙な感覚を追い払うように頭の上で勢いよく手のひらを振って。
適当に捻って出したシャワーが冷たくて悲鳴を上げた。
「…なにしてんです…」
さっきうっかり浴びた冷たいシャワーよりも冷たい視線が突き刺さるようだ。冷たいシャワーを浴びて驚いてシャワーヘッドを投げたら、ブースの外まで出てしまった。ヤベ!と思って振り返ったときにはすでに遅く、頭から水をかぶったバーナビーがそれはそれは呆然とした表情で立ち尽くしていたのだ。
「…ッマジごめん!ほんっとこの通り!」
音がしそうなほど両手を合わせて頭を下げる。水をかぶった所為でまたシャワー浴びなおしですよと皮肉たっぷりに言いながらブースから出てきたバーナビーはそれはそれは不機嫌で、年上で先輩でヒーローなのに若干腰が引ける。
てゆーか、逃げたい。
さらに今朝の件で非常に後ろめたくて、さらに平謝りする羽目になった。
おまえの脛毛触ったら欲情しましたなんていえるか!
「…それで」
じろり、とベンチに座って腕を組む相棒の前で床に正座しているのも反論できない。
「なに考え込んでたら子供みたいなことしでかすんです?いくらあなたが多少子供っぽいところがあるといっても限度がありますよまったく…」
いい大人が、と溜息交じりに説教されるともうホントそうですねと言うしかなくて「すいません」と項垂れる。
一番堪えているのは年下の若い、男に、そういう欲が沸いたということだ。これは虎徹が勝手に抱いた感情だから自分で反省するしかなくて、その様子が他人から見たら随分落ち込んでいるように見えるとか、そんなことまでは気が回らない。自分に無頓着な辺りは今に始まったことでもないのだが。
「ちょっとハンサムー?そろそろ勘弁してあげなさいよォ、一応反省してるみたいだしィ~?」
「まあ虎徹のこった、ある意味仕方ねぇよなあ」
「いや!反省しているなら許してあげなくては!そうだろうバーナビー君!」
「タイガーさん…なんか気の毒ですよ…?」
いつの間に戻ったのか、ロッカールームには他のヒーローたちの姿もある。口々に「もうワイルドタイガーはこういうやつだから諦めたら?」と言われて、バーナビーの眉間に寄っていたシワが少し緩くなった。仕方ないですねと再び溜息混じりに「もう分かりましたから」と言いながら虎徹の肩を叩く、というより掴む。ちょっと、いやかなり強く。
「…次はないですよ虎徹さん?そろそろ落ち着いてもらわなくちゃ、いい大人ですしねぇ…?」
「…ハイ…」
肩に置いた手のひら、もとい指先が食い込んですごく痛いけれどこくこくと頷くしかない。いつものパートナーの行動は僕にも影響がある云々がついてこなくて助かった。
ぶっちゃけそんなことはどうでもよくて、虎徹が背筋に入れていた力を抜いたのは、座っている間目の前にあったあの長くて綺麗な脚の存在がなくなったからだ。例の、金色の脛毛が存在するアレだ。このロッカールームの照明ではほとんど見えないから良かったような悪かったような残念なような、なんだか色々ごちゃごちゃしていて良く分からない。
とにかく見えなくなれば意識もそこには行かないし、うん、何とかなる頑張れ理性と言い聞かせて、痺れ始めた両足をさすりつつ立ち上がる。膝が痛いのは無理が祟っている所為かどうか。
「ホントごめんねバニーちゃん、おじさんちょっと色々余裕なくてさー」
足痺れちゃったよと笑って誤魔化すのがこちらも精一杯だ。
だからなんとなく虎徹の様子がおかしいのは分かっていた。今朝の件といい今の件といい、何がどうなったのか。少しばかり失敗することは日常茶飯事で、それでもこんなに上の空だったことなんて滅多になかったのに。
それから、と溜息を零して口元を押さえる。正確には顎の辺りを指先で撫でて、今朝同じところを虎徹が撫でて綺麗だといったことを思い出してしまって。
「…なんなんだ一体…」
鼓動が少し早くなって、ちらりと隣のデスクに視線を投げる。いつもは虎徹の席だが、定時をとっくに回っている時刻にその姿はない。乱雑に何かが積み上がっていたり、ボールペンやら何やらがデスクの隅に転がっていて違う意味でも溜息が出る。整理整頓くらいやってもらいたい。
「……ふー…」
作りかけの報告書の画面に視線を戻して、もうやめようとファイルを閉じた。眼鏡を押し上げて目頭を軽く揉み、ずっとモニタに向かっていて固まった身体を解した。椅子の上で身体を伸ばし、それから散らかり放題の虎徹のデスクの上を簡単に片付ける。筆記用具を引き出しに入れたり書類を重ねて未処理のケースに入れたりしていたら、端のほうに置いてあったクリアポーチに納まっていた洗面用具が軽い音を立てて落ちた。
「…これ」
今朝の、仮眠室から持ってきた洗面用具セットだ。持って帰ればいいのに、わざわざこんなところに置いていかなくてもと拾い上げたそれを持ったまま、再び顎に手を伸ばす。
相変わらずほとんど目立たないようにしか生えてこないそれと、虎徹の整った顎鬚を思い出して比べて、溜息を吐く。
「………ズルイ」
それが本音だ。
虎徹の特徴的なヒゲほどとは行かなくても、せめて朝鏡を見たらああ髭生えてるな剃らなきゃなと思うくらいには視認出来ればいいのに。よく見ないと見えない、触ってみるまで気付かないとかそれは男としてどうなんだとあるときふと気付いてしまったらずっと引っかかってしまった。年頃の女性なら体毛は薄いほうがいいらしいけど、なんだか、嫌だ。
あの人の無駄な色気のようなものが、あの髭によるところが大きいのかもしれないと気付いたのはいつだっただろう。
何もせずとも大人の男の色気が出るとか、なんだそれ羨ましい。
女性に騒がれるのも注目されるのも目的があって、そのために利用できると言うなら利用してやろうとそれだけで今まで来た、のに、その目的が果たされたら今まで気にも留めなかったことが勢いよく押し寄せてきて混乱する。
とりあえず最近の関心は髭だ。というか、虎徹の髭だ。Mrレジェンドに憧れてあの形にしたらしいと言うことは聞いた。子供みたいな、と言うよりまるっきり子供の顔で嬉々として憧れの人の話をする姿は可愛らしくもあり妬ましくもある。
違う、そうじゃなくて。
「…ああもう!」
ばんっ、と音を立ててポーチをデスクに叩きつけ、もう帰ろうかと振り返ると、なんでかそこに人がいた。
しかも、今八つ当たりしたデスクの主が。
「どーしたバニー、なんかヤなことでもあったのか?」
「……こ…なんで、帰ったんじゃ」
紙袋を二つ持った虎徹が少し驚いたように言って、それから笑う。
「ん、ちょっと頼まれたことあってな、仕事だよ。まだいるかと思ったら案の定頑張ってるから差し入れ持ってきたんだけど」
腹減ってね?とひとつを渡されて反射的に受け取ると、まだ暖かかった。広げた紙袋の口から中を覗くと、香ばしい香りのホットサンドとコーヒー、フライドポテトが入っている。近所のカフェのメニューで、気に入っているのか虎徹は良く通っている。深夜営業してるのが便利で、社員はかなり利用しているようだ。
「しっかしこの会社は相変わらず寝ないな!まだそこらじゅう明かり点いてんの」
紙袋を受け取ったまま立ち尽くすバーナビーの横の椅子に気にせず座って、自分の分らしい紙袋を片付いたデスクに置いた。
「あれ、綺麗になってる?バニーちゃん片付けてくれたの?」
「…ええ、すいません勝手に、どうしても気になったものですから」
いーよいーよ助かる、と虎徹は笑い、そうして座っているから見上げるようにこちらを見て「食べないの冷めるよ」と目を細めた。
唇が、つい、と上がる。
「……っ」
そうだ。
思わす口元を三度覆って。
そうだ、今朝、この人。
「…バニーちゃん?」
紙袋から出したコーヒーのカップを片手に首を傾げる虎徹は、何で平気な顔をしているのか。それとも自分が意識過剰なだけなのか。
「…わけが、分からない…っ」
手から紙袋が滑り落ちそうになって、慌てて虎徹が腕ごと受け止める。
「こら、なんかあるならちゃんと言いなさいバニー。つか顔真っ赤だぞ熱でもあるのか?」
「ち、かづかないでくださいよッ」
「は??落ち着けよなんなんだ?」
だって、どうしたらいいのか分からない。
近くなった距離と、この人の香水と、近付いたから見える、また。
「…ずるい、ですよ虎徹さん…」
悔しくて、情けなくて、訳が解らなくなって、どうしようもない。
ずるいと言われた虎徹は何のことだかさっぱりという顔をしていて、それが何だか腹立たしい。
ほら、近づいたらまた、虎徹の顎にはぽつぽつ復活している点がある。それが見える。
「…っ」
悔しいから、なのか何なのか。
目の前にあったネクタイを掴んで思い切り引き寄せて、噛みつくようなキスをした。
この目で見て、触れて、ただそれだけだというのに。
「くっそ…」
快楽に似た悪寒が背中を駆け抜けた、なんて。
濡れて落ちた前髪をくしゃりと握る。久しくこんな感情を覚えたことはなかった。
あのギャップが、どうにも。
「あー、やめやめやめ!」
考えるから気になるんだ、と妙な感覚を追い払うように頭の上で勢いよく手のひらを振って。
適当に捻って出したシャワーが冷たくて悲鳴を上げた。
「…なにしてんです…」
さっきうっかり浴びた冷たいシャワーよりも冷たい視線が突き刺さるようだ。冷たいシャワーを浴びて驚いてシャワーヘッドを投げたら、ブースの外まで出てしまった。ヤベ!と思って振り返ったときにはすでに遅く、頭から水をかぶったバーナビーがそれはそれは呆然とした表情で立ち尽くしていたのだ。
「…ッマジごめん!ほんっとこの通り!」
音がしそうなほど両手を合わせて頭を下げる。水をかぶった所為でまたシャワー浴びなおしですよと皮肉たっぷりに言いながらブースから出てきたバーナビーはそれはそれは不機嫌で、年上で先輩でヒーローなのに若干腰が引ける。
てゆーか、逃げたい。
さらに今朝の件で非常に後ろめたくて、さらに平謝りする羽目になった。
おまえの脛毛触ったら欲情しましたなんていえるか!
「…それで」
じろり、とベンチに座って腕を組む相棒の前で床に正座しているのも反論できない。
「なに考え込んでたら子供みたいなことしでかすんです?いくらあなたが多少子供っぽいところがあるといっても限度がありますよまったく…」
いい大人が、と溜息交じりに説教されるともうホントそうですねと言うしかなくて「すいません」と項垂れる。
一番堪えているのは年下の若い、男に、そういう欲が沸いたということだ。これは虎徹が勝手に抱いた感情だから自分で反省するしかなくて、その様子が他人から見たら随分落ち込んでいるように見えるとか、そんなことまでは気が回らない。自分に無頓着な辺りは今に始まったことでもないのだが。
「ちょっとハンサムー?そろそろ勘弁してあげなさいよォ、一応反省してるみたいだしィ~?」
「まあ虎徹のこった、ある意味仕方ねぇよなあ」
「いや!反省しているなら許してあげなくては!そうだろうバーナビー君!」
「タイガーさん…なんか気の毒ですよ…?」
いつの間に戻ったのか、ロッカールームには他のヒーローたちの姿もある。口々に「もうワイルドタイガーはこういうやつだから諦めたら?」と言われて、バーナビーの眉間に寄っていたシワが少し緩くなった。仕方ないですねと再び溜息混じりに「もう分かりましたから」と言いながら虎徹の肩を叩く、というより掴む。ちょっと、いやかなり強く。
「…次はないですよ虎徹さん?そろそろ落ち着いてもらわなくちゃ、いい大人ですしねぇ…?」
「…ハイ…」
肩に置いた手のひら、もとい指先が食い込んですごく痛いけれどこくこくと頷くしかない。いつものパートナーの行動は僕にも影響がある云々がついてこなくて助かった。
ぶっちゃけそんなことはどうでもよくて、虎徹が背筋に入れていた力を抜いたのは、座っている間目の前にあったあの長くて綺麗な脚の存在がなくなったからだ。例の、金色の脛毛が存在するアレだ。このロッカールームの照明ではほとんど見えないから良かったような悪かったような残念なような、なんだか色々ごちゃごちゃしていて良く分からない。
とにかく見えなくなれば意識もそこには行かないし、うん、何とかなる頑張れ理性と言い聞かせて、痺れ始めた両足をさすりつつ立ち上がる。膝が痛いのは無理が祟っている所為かどうか。
「ホントごめんねバニーちゃん、おじさんちょっと色々余裕なくてさー」
足痺れちゃったよと笑って誤魔化すのがこちらも精一杯だ。
だからなんとなく虎徹の様子がおかしいのは分かっていた。今朝の件といい今の件といい、何がどうなったのか。少しばかり失敗することは日常茶飯事で、それでもこんなに上の空だったことなんて滅多になかったのに。
それから、と溜息を零して口元を押さえる。正確には顎の辺りを指先で撫でて、今朝同じところを虎徹が撫でて綺麗だといったことを思い出してしまって。
「…なんなんだ一体…」
鼓動が少し早くなって、ちらりと隣のデスクに視線を投げる。いつもは虎徹の席だが、定時をとっくに回っている時刻にその姿はない。乱雑に何かが積み上がっていたり、ボールペンやら何やらがデスクの隅に転がっていて違う意味でも溜息が出る。整理整頓くらいやってもらいたい。
「……ふー…」
作りかけの報告書の画面に視線を戻して、もうやめようとファイルを閉じた。眼鏡を押し上げて目頭を軽く揉み、ずっとモニタに向かっていて固まった身体を解した。椅子の上で身体を伸ばし、それから散らかり放題の虎徹のデスクの上を簡単に片付ける。筆記用具を引き出しに入れたり書類を重ねて未処理のケースに入れたりしていたら、端のほうに置いてあったクリアポーチに納まっていた洗面用具が軽い音を立てて落ちた。
「…これ」
今朝の、仮眠室から持ってきた洗面用具セットだ。持って帰ればいいのに、わざわざこんなところに置いていかなくてもと拾い上げたそれを持ったまま、再び顎に手を伸ばす。
相変わらずほとんど目立たないようにしか生えてこないそれと、虎徹の整った顎鬚を思い出して比べて、溜息を吐く。
「………ズルイ」
それが本音だ。
虎徹の特徴的なヒゲほどとは行かなくても、せめて朝鏡を見たらああ髭生えてるな剃らなきゃなと思うくらいには視認出来ればいいのに。よく見ないと見えない、触ってみるまで気付かないとかそれは男としてどうなんだとあるときふと気付いてしまったらずっと引っかかってしまった。年頃の女性なら体毛は薄いほうがいいらしいけど、なんだか、嫌だ。
あの人の無駄な色気のようなものが、あの髭によるところが大きいのかもしれないと気付いたのはいつだっただろう。
何もせずとも大人の男の色気が出るとか、なんだそれ羨ましい。
女性に騒がれるのも注目されるのも目的があって、そのために利用できると言うなら利用してやろうとそれだけで今まで来た、のに、その目的が果たされたら今まで気にも留めなかったことが勢いよく押し寄せてきて混乱する。
とりあえず最近の関心は髭だ。というか、虎徹の髭だ。Mrレジェンドに憧れてあの形にしたらしいと言うことは聞いた。子供みたいな、と言うよりまるっきり子供の顔で嬉々として憧れの人の話をする姿は可愛らしくもあり妬ましくもある。
違う、そうじゃなくて。
「…ああもう!」
ばんっ、と音を立ててポーチをデスクに叩きつけ、もう帰ろうかと振り返ると、なんでかそこに人がいた。
しかも、今八つ当たりしたデスクの主が。
「どーしたバニー、なんかヤなことでもあったのか?」
「……こ…なんで、帰ったんじゃ」
紙袋を二つ持った虎徹が少し驚いたように言って、それから笑う。
「ん、ちょっと頼まれたことあってな、仕事だよ。まだいるかと思ったら案の定頑張ってるから差し入れ持ってきたんだけど」
腹減ってね?とひとつを渡されて反射的に受け取ると、まだ暖かかった。広げた紙袋の口から中を覗くと、香ばしい香りのホットサンドとコーヒー、フライドポテトが入っている。近所のカフェのメニューで、気に入っているのか虎徹は良く通っている。深夜営業してるのが便利で、社員はかなり利用しているようだ。
「しっかしこの会社は相変わらず寝ないな!まだそこらじゅう明かり点いてんの」
紙袋を受け取ったまま立ち尽くすバーナビーの横の椅子に気にせず座って、自分の分らしい紙袋を片付いたデスクに置いた。
「あれ、綺麗になってる?バニーちゃん片付けてくれたの?」
「…ええ、すいません勝手に、どうしても気になったものですから」
いーよいーよ助かる、と虎徹は笑い、そうして座っているから見上げるようにこちらを見て「食べないの冷めるよ」と目を細めた。
唇が、つい、と上がる。
「……っ」
そうだ。
思わす口元を三度覆って。
そうだ、今朝、この人。
「…バニーちゃん?」
紙袋から出したコーヒーのカップを片手に首を傾げる虎徹は、何で平気な顔をしているのか。それとも自分が意識過剰なだけなのか。
「…わけが、分からない…っ」
手から紙袋が滑り落ちそうになって、慌てて虎徹が腕ごと受け止める。
「こら、なんかあるならちゃんと言いなさいバニー。つか顔真っ赤だぞ熱でもあるのか?」
「ち、かづかないでくださいよッ」
「は??落ち着けよなんなんだ?」
だって、どうしたらいいのか分からない。
近くなった距離と、この人の香水と、近付いたから見える、また。
「…ずるい、ですよ虎徹さん…」
悔しくて、情けなくて、訳が解らなくなって、どうしようもない。
ずるいと言われた虎徹は何のことだかさっぱりという顔をしていて、それが何だか腹立たしい。
ほら、近づいたらまた、虎徹の顎にはぽつぽつ復活している点がある。それが見える。
「…っ」
悔しいから、なのか何なのか。
目の前にあったネクタイを掴んで思い切り引き寄せて、噛みつくようなキスをした。
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